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4章 イオンに左右される私たちの体

4−5) プラスイオンは人体にどのような影響を与えるのか

 体内に入ったプラスイオンは血液の酸性化を促します。血液の酸化は、同時に細
胞膜の酸化を意味します。人体は60兆個の微小な細胞でできており、その細胞の
中心には核があり、さらにその周辺を細胞膜が覆っています。

 細胞膜は脂肪でできた二重の膜になっており、細胞は細胞膜を通して外側から絶
えずブドウ糖やビタミン、ミネラルといった栄養素や酸素を吸収して生体を支えて
います。しかし、細胞膜が破壊されると、細胞は細胞膜を通して栄養を吸収する機
能を失ってしまいます。そればかりか、壊れた細胞膜はストッキングの伝線のよう
に、まだ傷ついていない他の細胞まで巻き込んで次々と連鎖反応を起こし、細胞全
体が機能を失ってしまいます。これが"ラジカル反応"です。言葉を換えれば、細
胞膜の脂肪酸が活性酸素の働きで電子を一つ奪われることから細胞膜が酸化され、
細胞膜が固く縮んだ状態で、本来の機能を果たせなくなった状態です。

 こうなると酸素や二酸化炭素が通過できなくなり、ブドウ糖やビタミンが細胞の
なかに入れなくなります。また、細胞の内と外を行き来しているナトリウムやカリ
ウムも行き来ができなくなり、なかに溜まったナトリウムが出てこられなくなって
しまいます。これこそ、細胞の最も恐れている現象です。

 細胞がラジカル反応を起こすと、細胞内の化学反応、たとえばミトコンドリアが
細胞内のエネルギー源であるアデノシン3リン酸(ATP)を生成するATP活性
が抑制されてしまいます。この結果、細胞内に老廃物やいろいろな毒素が溜まって
いきます。特に乳酸が溜まります。本来ならこういう毒素は細胞自身が常に外に排
出するわけですが、細胞の衰えでそれができなくなってしまうのです。

 健康を害する酸化物質として先に酸化した脂肪酸をあげましたが、そのほかタバ
コや酒、食品添加物、肉、砂糖といった食物は酸性に近い物質です。

 たとえ酸性物質でも細胞が血液中にたくさんのマイナスイオンを抱えた状態な
ら、本来の中和力を働かせて常に平衡を保つことができるのですが、血液中に溶け
込んだイオンのうちプラスイオンが多くなると酸性物質が一気に細胞から電子を引
き抜きフリーラジカル化へと突き進んでしまうのです。

 このフリーラジカル現象が細胞から細胞へ伝染していきます。プラスイオンの恐
ろしさは体のなかに入ったときに、こうした細胞膜に攻撃を仕掛ける活性酸素を消
し去る抗酸化剤の電子を奪って酸化型にしてしまい、働けなくしてしまうことであ
り、その給果活性酸素が大暴れするのです。

 体力のない病人が天気の悪い日はどことなく苦しいというのは、大気中にプラス
イオンが多いからです。プラスイオンが強く働くと生体組織の細胞が酸化し細胞膜
が固くなってしまうのです。

 体液の酸化状態をそのまま放置しておくと、あとに待ちかまえているのは、がん
や成人病などです。体液の酸性化は体内に毒素を蓄積します。毒素の中身は、たと
えば脂肪酸、グリセロリン酸、グルタミン酸、焦性ブドウ糖、乳酸といった物質で
す。焦性ブドウ糖は神経を麻庫させ、乳酸は頭痛、肩こり、神経痛などを引き起こ
したりします。焦性ブドウ糖や乳酸が暴れ回ると、内臓にも影響を及ぼし徐々に生
体を蝕んでいきます。

 血液の酸性化によって起こり得る病気には次のようなものがあります。高血圧、
動脈硬化、脳卒中、心臓病、貧血、アレルギー性疾患(職息、気管支炎)、虚弱体
質、更年期障害、不眠症、頭痛、肩こり、慢性便秘、リュウマチ、糖尿病、胃腸
病、肝臓病、その他の慢性病……。まさに何でもあり。これではまるで病気のデパ
ートのようです。

 プラスイオンの増加が人体にどういう影響を与えるかについて、ドイツの医学者
シェルツは次のように述べ、イオンに一つの定説を打ち出しています。シェルツは
電気生理学の世界的権威であり、この説は1980年代末に発表されたものです。

 「静電電界の変化(空気中のプラスイオン、マイナスイオンのバランスのこと)が正常
の範囲を超えると、神経痛、リュウマチ、頭痛、心臓病、喘息、感冒といった慢性
病が急増する。逆に正常に戻るとこうした症状を訴える患者が少なくなる」
またシェルツは、大気中のイオンを測定し、その量と交通事故の件数はほぼ正比
例する、つまり、プラスイオンの多い日は事故が多発すると、その関連性を世界で
初めて指摘した学者でもあることをつけ加えておきます。





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