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第9章 マイナスイオンを取り入れやすい生活とは

9−2) 「樹林気功」のすすめ

 アウトドア・ライフは、マイナスイオンをとり入れるのに最適な方法の一つです
が、日常の些事に追われ余裕の少ない都会人には、実行はなかなかむずかしいと思
います。しかし、心掛け次第で誰にもできる方法があります。わざわざクルマで遠
出するのではなく、比較的樹木の多い近くの公園や神社の境内で、空気のきれいな
場所を選んでください。そこで、樹木に囲まれのんびりとひとときを過ごす。たっ
たそれだけでも効果はあります。

 けれど、どうせなら、やはり森へ行き「樹林気功」を試みてはいかがでしょう
か。

 気功は中国伝来のものですが、日本でも古代人は病を癒すとき、巨木の側に寄り
添って「癒しの波動」を受け、人間が本来持っている免疫力を高めたといいます。

 自然治癒力を向上させるという考え方は、東洋医学の分野では方法は違ってもいま
も受け継がれている伝統的なものです。亭亭と聳え立つ巨木に、人々は言い知れぬ
恐れと神を感じる、巨木信仰はそういうところから生れたのかもしれません。

 近年、樹林気功が全国でも盛んに行なわれるようになったのは、いまの社会があ
まりにも自然から遠ざかり、生活そのものが無機質なものになり果ててしまったか
らでしょう。何とか少しでも自然に近づき、そのことで失われたものを心や体のな
かにとり入れ、失地回復を図りたいという願望の表われだと思われます。

 樹林気功は、樹木と「気」を交流させることで自分本来の心のあり方を見つめて
いく、非常にメンタルな作業です。といっても別にむずかしいことをやるわけでは
ありません。まず、近くの巨木のすぐ隣に巨木を真似て体の力を抜いた白然の状態
で立ち尽くすのです。時間にはこだわらずに、各人思い思いの感覚で行なえばよい
のです。森のなかでの樹林気功は、明け方六時ごろから十時ごろまでが最もよいで
しょう。この時間帯はマイナスイオンが最も多く発生しやすいからです。生きて呼
吸している樹木の気が地表に沿って平行に流れていくのがこの時間帯です。

 早朝の森で行なう気功の快適さは、話を聞いただけで容易に想像できます。湿っ
た土の香り、その味わい、草いきれ、ひんやりとした空気の肌への浸透感などを全
身で受け入れながら、そこで何度も何度も深呼吸を行ないます。豊かなマイナスイ
オンがあなたの体中を駆けめぐっていくはずです。

 湿った土の香りといいましたが、森の最大の特徴は、ドライではなく、常にウエ
ット、つまり土や樹木の周辺に水分が豊富にあるということです。森林に降った雨
はいったん樹林や草木に吸収され葉の気孔を通して再び大気中に蒸発していきま
す。この現象を「蒸散」といいます。このとき、大量のマイナスイオンが発生しま
す。場所にもよりますが、おそらく1立方センチメートル当たり5000〜600
0個くらい発生しているのではないでしょうか。

 森では降った雨はスポンジのように土中に浸み込んでいきます。というのは、森
の土壌には、アリ、ミミズ、モグラなどが作った穴と、木の根が作った無数の穴な
ど、目には見えない数知れぬ隙間があるからです。そんな土壌が一つの森の60%
を占めています。雨が浸み込んでいくスピードは運動場のような裸地の十数倍もゆ
っくりとしているそうです。森林が土砂の流出防止に大変に役立っているのがこの
一事でもわかります。

 さて、樹林気功の次の行動は、自由に森のなかを歩き回り、白分自身でここがよ
いと思う樹と向かい合います。両腕を前に出しながら幹に近づき、その樹木が発し
ている気を掌で受けとめるようにします。掌がほんの少しでも温かさを感じるよう
になったら、樹林気功は核心に入ったと思ってよいでしょう。樹木の生の鼓動と自
らの鼓動の一体化というところでしょうか。なかにはビリビリと電気が走ったとい
う人の話も聞いたことがあります。

 次いで枝を真似て両腕を肩の高さに上げ、ひじの力を抜き樹の根元に立ち尽くし
ます。足の底から根が生えたような感覚が全身を走り、ふっとすべての重力から解
放されたような浮遊感に浸ります。こうなったら、まずこの気功は成功です。自然
と深く関わり合うことの、人の心、人の生理の不思議さを見る思いです。





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