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7章 プラスイオンと電磁波が及ぼす害

7−3) 電磁波はガン発病と無関係?

 電磁波の人体に及ぼす悪影響にっいて論議が高まっているなか、1997年夏、
アメリカから大きなニュースが伝えられてきました。

 アメリカ国立がん研究所(NCI)の発表で、電磁波被曝によるがんや自血病の
発症に確たる被害の証拠は見当たらないとするものでした。

 このニュースは直ちにテレビや新聞などのマスコミを通じ全米に流されました。

 アメリカ国立がん研究所(NCI)といえば、がん研究、がん治療では世界的に名
の知れた権威のある研究機関です。そこが調査研究の結果、公にしたデータだけに
信用しないわけにはいきません。

 しかし、本当にそうなのだろうか。もし無害であるなら、電磁波被害の訴訟や、
現に白血病で苦しんでいる人々の立場はどうなるのか。電磁波無害説とは裏腹に、
アメリカ国民のなかには無害説を支持しない人も多いといいます。

 この調査は、国立がん研究所が全米各地のがん研究所の協力によって大々的に行
なったといいます。ニュージャージー、ミシガン、イリノイなどの、9つの州から
638人の小児白血病患者をピックアップ、同時に比較対象のため健康な子ども620
人についても調査をしました。小児白血病の子どもの家を24時間態勢で実
際の電磁波の強度を測定、高圧送電線が住居の内外にどう影響しているかなどが調
査のポイントになりました。

 調査は、「ケース・コントロール・スタディ」(症例対照)というシステムで行な
い、実際にがんにかかっている子どものグループと、それによく似た生活環境を持
つ健康な子どものグループとの比較検討を、合わせて2158人、一人一人調べて
行なうという、技術的にも時間的にも大変大がかりなものでした。

 まず、それぞれの子どもの部屋の電磁波の強度を測る。もちろんリビングやキッ
チンなどの生活空間も測ることで、時間平均の電磁波の大きさと小児白血病患者の
数とを比較していきます。この緒果、地場が0.065マイクロテスラ以下の環境
では一地磁気は約50マイクロテスラ一、患者267人に対して健康な子どもは28
5人。地場が最も大きかった0.2マイクロテスラ以上では、患者83人に対し健
康な子どもは70人・地場が大きいほうが患者数はやや多かつたが、統計的には意
味のある差はなかった、というものでした。地場とかマイクロテスラとか、専門的
でわかりにくい表現ですが、国立がん研究所では以上のデータを総括して次のよう
な結論を導き出しています。

 「われわれの調査結果からは、実測した磁界曝露量が大きい居住環境、および最大
ワイヤーコードの居住環境のいずれについても、急性リンパ性自血病のリスクを増
加させるという証拠はほとんど導くことができない」
つまり、こうなると、最近日本でも問題視されている一連の高圧送電線下の電磁
波と自血病などの発症、その因果関係は、現時点では見当たらないということにな
ります。




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