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4章 イオンに左右される私たちの体

4−3) 多種多様なイオン発生の要因

 イオンの発生にはリズムがあります。マイナスイオンは朝六時ごろから十時ごろ
までに最も多く発生します。また、日照によって地表が温められ水蒸気が上昇する
ときにも、多く発生することがわかっています。

 逆に夜になると、大気中にはプラスイオンが多くなります。寒い日や曇りの日も
同様に多くなりますが、これは地表の空気が冷えていることが一つの大きな理由で
す。

 また、昼間太陽が昇って人々が動きだし経済活動が活発になる時間帯には次第に
プラスイオンがその数を増していきます。モノを生産する過程で塵や化学物質が充
満しているところ、電磁波を多く出す作業場やオフィスでは、空気中のイオンはほ
とんどプラスイオン化しています。

 とにかく、人間が手を加え、曲げたり、たたいたり、引っ張ったりすることで、
モノを加工するとき、その場の空気はプラスイオンに変化するのです。人問が作り
出したものはすべてプラスイオンということですから、そこから逃げ出すことは現
代生活では物理的にいっても不可能なことはわかり切ったことでしょう。

 プラスイオンの充満したこの社会から逃避するのではなく、プラスをマイナスに
転じていく努力、知恵と意欲を持つこと、そのことが大事なことだと思います。

 マイナスイオンが発生するもう一つの要因は風です。風が吹いてマイナスイオン
が出るのは、風とともに大気中の細かな水滴が小さく分かれていき、プラスイオ
ン、マイナスイオンの二つに分かれるのです。電子をもらったマイナスイオンのほ
うは、激しく震動していて、より小さなイオンになり、プラスイオンは重いため、
地面に落ち、結果的に空気中はマイナスイオンが多いことになります。

 マイナスとプラスのイオン発生の現象やリズムは以上のようにいろいろあります
が、その条件もしっかりと覚えておく必要があります。前にも触れましたが、大気
中の汚染もプラスイオンを発生させる要因となり、なかなかの曲者です。訴訟問題
にまで発展したこの大気汚染は、ひところほどではあリませんが、すべてが解決さ
れたわけではありません。厳密にいえば、日本の空にはまだまだ、ケイ酸炭素、一
酸化窒素、二酸化窒素、二酸化硫黄、硫酸化水素、炭酸ガス、塩素といった金属粒
子や化学物質が飛び交っているはずです。目に見えない微小有害物質ほど始末にお
えないものはありません。これらの物質によって大気が次々とプラスイオン化し、
その組成を変えてしまう恐れがあるからです。

 さらに大気汚染物質の不気味さは、その化学的な"変身"にあります。これらの
汚染物質は大気中に発生する活性酸素の作用で硫酸や硝酸、塩酸などに姿を変えて
いくのです。姿を変えても正体は酸性化物質であることに変わりはありません。自
らが「オキソニウムイオン」(水分子に水素イオンが緒合したイオン)を作り出してプ
ラスイオンそのものになったり、大気中のマイナスイオンを吸収してプラスイオン
を増殖させている困りものなのです。





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