４章　イオンに左右される私たちの体

４−２）　マイナスイオン、プラスイオンが発生する条件とは

　大気中の極小の水分（分子）に付着したとき、マイナスイオンはもっとも安定し
たものになります。しかし大雨のときは、室内でも湿度は８０%を超えてしまいま
すから、室内はすべてプラスイオンになってしまいます。

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　梅雨どき、夜、寝苦しいのは湿度が高過ぎるからです。除湿器で湿気を取り去る
ことはマイナスイオンの発生を促しますからこれは非常に体にはよいわけです。大
気中のイオンは、その日が晴れなのか、曇りなのか、雨なのか、部屋の湿度は高い
のか低いのか、また大気の湿度はどうなのかといった気象条件のいかんによって、
プラスに振れたりマイナスに振れたりと、猫の目のように変化していきます。

　加えて大気圏外からの紫外線や熱、放電（雷）、さらに大気中の汚染物質の多寡
によってもイオンは大きく左右されます。

　大気中には酸素や窒素、炭酸ガス、水素といった物質がありますが、人はこれら
の元素とともに汚染物質や浮遊する塵や細菌、バクテリアまでもひっくるめて空気
として呼吸するため、常にそれらを体内に取り入れています。

　１ミリの１００万分の１という超微粒子であるプラスイオン、マイナスイオンも
このとき同時に私たちは体内に吸収しているのです。このあたりが大気イオンを理
解する上で大切な一つのポイントになります。

　話は変わりますが、以前に私がカリフォルニアに行き、ホテルに入ろうとドアの
ノブに触れたときのことです。ビリビリと静電気が走りました。この地区ではどの
ホテルでもそんな現象が見られるといいます。

　カリフォルニアは一年中温暖な気候といわれていますが、日中はむしろ暑いくら
いで、相対湿度が減り過ぎて常時２０%くらいしかないのです。強過ぎる太陽熱で
地表の空気が温められマイナスイオンの水クラスターは上昇気流に乗って舞い上が
りマイナスイオンは地表からはるか上空にたまり、地上はプラスイオンが主になり
ます。だから乾燥した部屋はプラスイオンが多いのです。

　水分の少ない部屋の中でジュータンを歩くときの摩擦により生じて飛び出した電
子は、もし水のクラスターがあればマイナスイオンになりますが、この場合水分不
足でマイナスイオンになれず、電導率のよいドアノブなどの金属に静電気として電
子がたまります。