現代の家屋は空調がコンピュータで制御されていたり、見栄えがするよう天井、
床、壁などの資材に工夫が凝らされた家が増えています。
一見、リッチで文化的ですが、一皮むけば、昔よりもずっと不潔になりやすく、
何より夏も冬もプラスイオンだらけです。
じめじめした夏場は水分のプラスイオンと電気器具から発生するプラスイオン、
冬は乾燥しすぎて、部屋のなかを舞う塵、カビやダニの死骸のプラスイオンと、同
様に電気器具から発生するプラスイオン。さらに冬は寒いので電気製品オンパレー
ド。エアコン、ホットカーペット、電気毛布、電気コタツなどがフル稼働し、使用
時間中プラスイオンを出し続けています。
夏以上に部屋を閉め切っているため、部屋の酸素が減り二酸化炭素が多くなって
います。この二酸化炭素が多い空気を吸えば酸欠症状となり、血液を酸化させる乳
酸が増えてしまいます。
すき間風が吹き抜けるような機密性の低い家は、一面、貧しかったころの日本の
象徴です。いまさらそんな家に住みたいという人はいないでしょう。ところが、風
が吹けば吹くほど空気中の水分が細かくなり、0.5〜1ナノメーターのマイナス
イオンに帯電しやすくなるのです。また、雨上がりの暖かい日は、外だけでなく家
の柱や襖に蓄えられていた余分な水分が蒸発していきます。この蒸発する水分こ
そ、じつはマイナスイオンの正体なのです。
だから、周囲が緑に囲まれ、縁側には燦々と陽が差し込む昔風の農家の家など
は、最もマイナスイオンが多い家だったのです。そんな家では庭先に布団をずらっ
と並べておくだけで、湿気た布団もからからになり、夕方取り込む前に布団叩きで
叩くと、その音の出す特定周波数の振動で、わずかに生き残ったダニもみんな死に
絶えてしまったのです。何と合理的な健康法であり、湿気の多い国に住む日本人に
とって理想的な住まい方だったことか!いまさらながら感心させられます。
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