１章　マイナスイオンは現代医学の謎を解くキーワード

１−１）　一世紀で逆転したプラスとマイナスのイオンバランス

　世の中で、とり立てて気にしない存在のことを”空気のようなもの”と言うこと
があります。ところがいま、その〃空気"の善し悪しが大いに論議される時代にな
ったのです。悪い空気（プラスイオン）を吸うか、よい空気（マイナスイオン）を吸う
かで人の健康が大きく左右されるからです。

　大気中には、イオンという存在があります。イオンにはプラスとマイナスの二種
類があり、地球上のあらゆるところに無限の広がりをもって分布しています。これ
は科学的に立証されています。

　私たちは、日常空気を吸うことで自らの複雑な生体を維持しています。空気に
は、窒素、酸素、炭酸ガス、水素といった元素がそれぞれの割合で混合されてお
り、私たちはそれらを一緒に体に取り入れています。ここで大事なことは、この呼
吸の際、それぞれプラスイオンとマイナスイオンも同時に体に取り入れている、と
いうことです。

　大気中のイオンの状態が、いつもプラスとマイナスでバランスがとれていればよ
いのですが、いまはそのバランス（中性）が保てなくなっているのです。
アメリカで発表されたデータによると、二十世紀初頭、大気中のイオンはプラス
イオン一に対して、マイナスイオンは一・二でした。ところが現代の大気の状態
は、プラスイオン１．２に対して、マイナスイオンは１という割合です。わずか１
世紀の間に、イオンバランスが逆転してしまったのです。いまの私たちの生活環境
はプラスイオンに取り囲まれ、埋めつくされているのです。

　どうしてこのようになってしまったのでしょうか。簡単にいえば、地球が本来持
っている自然環境の回復能力を、私たちが作り上げた文明、それも燗熟し尽くした
近代文明が寄ってたかって破壊してしまったからです。

　具体的には、日々、自動車がまき散らす排出ガスがその代表です。これはプラス
イオンを増殖させる最たるものです。そのほか、工場などから排出される各種の煤
煙、汚染された河川や酸性雨、ゴミの焼却時に出るダイオキシン、農薬、各種食品
添加物（化学物質）、毒性を持った新建材の接着剤（ホルムアルデヒド）・その他もろ
もろの日用品に使用される有機リン化合物質、宇宙の果てから放射されてくる放射
線の類もプラスイオンを増やす元凶です。

　さらに破壊されたオゾン層から降り注がれる紫外線も、プラスイオンを作り出す
大きなフアクターになっています。また、この三十年間、急速に普及したテレビや
コンピュータ、電子レンジなどの各種電気・電子機器から放出される〃電磁波〃も
フラスイオンの仲間です。

　これらの重層的な影響で、マイナスイオンは激減し、プラスイオンばかりが目立
って多い大気環境が作り出されたのです。このようにしてわずか百年の間に空気中
のイオンバランスは崩れに崩れてしまったのです。

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