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6章 マイナスイオンのマジカルパワー

6−7) 電子を奪う活性酸素と補給するマイナスイオン

 がんをはじめ、いろいろな病気の発生原因が活性酸素の仕業であることは、最近
の医学では一つの定説になっています。活性酸素がどのようにやってくるのかを、
身近な例で考えると、まず紫外線があります。

 フロンガスの多用などが原因となりオゾン層が傷つき、オゾンホールができると
そこから強い紫外線が地球に降り注がれます。近年、皮膚がんになる人が非常に多
いといわれていますが、その一因は強烈な紫外線にあるといいます。ある資料によ
ると、アフリカなど南半球に住む人の皮膚がんは北半球の人の三〇倍に及ぶといい
ます。また、オーストラリアのカンガルーが白内障になったと騒がれたことがあり
ましたが、これは奇病でも何でもなく、紫外線照射により活性酸素が眼球のタンパ
ク質を変質させたと解釈されています。

 では、紫外線がどうして皮膚がんを作り出すのでしょうか。紫外線によって四種
類の活性酸素が発生します。

@スーバーオキサイドラジカル
A過酸化水素
Bヒドロキシルラジカル
C一重項酸素
 といった活性酸素です。

 紫外線のように"〜線"とよばれているものには、ほかにX線、べータ線、アル
ファ線などがありますが、これらは人体の非常に深いところまで浸透していく性格
を持っています。つまり、活性酸素は人間の細胞膜から侵入し、細胞の核にまで攻
撃を仕掛けてくるということです。

 スーパーオキサイドラジカルの「ラジカル」という意味は、過激なということ。

 わかりやすくいえば「ゲリラ」です。もっと言い方を変えれば、ゲリラ的な泥棒と
いっていいでしょう。何を奪うのかというと、「電子」です。

 これら四つの活性酸素は、みんな電子を一つしか持っていませんが、活性酸素が
安定するためには電子が二つ必要です。電子が二つあるときはゲリラにならずにお
となしいのに、一つだと暴れまわって、どこからか電子を一つ奪ってくる性格があ
るのです。

 電子を細胞核(DNA)のなかから奪ってしまうのです。これによってDNAの
結合の一部が狂ってしまいます。その狂った結合が、あるときにはがんの発症につ
ながるのです。

 このように紫外線は活性酸素を発生させる非常に怖い光線ですが、紫外線よりさ
らに怖いのがX線、ガンマー線、べータ線といった放射性のものです。

 これらの放射性エネルギーが外圧として細胞の分子に襲いかかると、分子構造そ
のものが分解してしまいます。その際、一回に何百という単位で、玉突き現象のよ
うに分子から電子が奪われていきます。活性酸素で遺伝子(DNA)が傷つけられ
ていく結果、白血病やがんになったりします。

 活性酸素のメカニズムで一番怖いのは、体をつき抜けていく、こうしたタイプの
放射線です。そのなかでも紫外線は他と比べてそんなに強くはありませんが、それ
でも皮膚にダメージを与えるくらいの力はあります。皮膚の表面で細胞の水を分解
し、次いで四種類の活性酸素を作ってDNAを破壊するのです。軽くてすめばシ
ミ、ソバカス、酷くなれば、たくさんの遺伝子(DNA)が切られて皮膚がんにな
ったりします。

 若いうちは紫外線で肌を焼いても秋口になると皮膚の表面がはがれて、新しい細
胞が出てくれば元に戻るわけです。しかし、遺伝子が壊れたときにはそうはいきま
せん。

 細胞が生まれかわるとき、あまり遺伝情報が壊されていると、破壊されたままの
遺伝子で新しい細胞を作ります。それでシミ、ソバカスになったり、がんになった
りするのです。

 いまは地球環境がひどく悪化している時代ですから、昔の紫外線とは降ってくる
量が違います。それなのに夏の海岸でがんがん肌を焼いていたり日焼けサロンに通
っている若い人をいまだに多く見うけます。若いからいいなどとはいっていられま
せん。皮膚がんになったり、がん細胞が転移することも十分にあり得るわけです。

 昔のように気軽に肌を焼いて健康的に黒くなろうという時代は終わったのです。
自分の体は自分で守っていかなければなりません。では、どう守っていくのか。ま
ず抗酸化物質、さらに活性酸素に"電子"を与えられる物質を体内に取り込む、こ
れがポイントになります。

 ロシアのチェルノブイリ発電所事故の例にもあるように、原子炉からとび出した
放射線を浴びて発症する白血病にも、食べ物による予防があり得ます。たくさんの
電子を奪われた末の病気なのだから、理論的にはそれに負けないほどのたくさんの
電子を供給する食べ物を摂ればよいわけです。

 電子をたくさん持っているビタミンC、ビタミンE、べータカロチン、ミネラル
水(ロックミネラル)といった抗酸化食品がその代表格といってよいでしょう。これ
らのビタミン、ミネラルを多量に含んだものを摂ることで、活性酸素に立ち向かう
ことができるのです。

 活性酸素は「足らない電子を欲しがる電子泥棒」ですから、彼らが実力行使に出
る前に、ひょいと電子を一つ与えてやる。それができるのは電子を一つ余分に持っ
ている抗酸化食品なのです。

 電子を与えたあとビタミンは、しばらくは体内をぐるぐる回っていますが、そう
いつまでも持ちこたえられることはありません。電子を余分に持っていたときは
「還元型」のビタミンだったのに、電子を与えたあとのビタミンは、残念ながら「酸
化型」のビタミンに変わってしまうのです。

 がん末期の人の血液を調べるとビタミンCもビタミンEもべータカロチンもある
にはあるのですが、みんな酸化型で、還元型ではないのです。

 ところがここに電子を補給するもう一つの方法があるのです。マイナスイオンで
与える方法です。

 早朝の大気中にはたくさんのマイナスイオンが浮遊しています。マイナスイオン
は朝六時ごろから十時ごろまでが一番多いといいます。とにかく、窓を大きくあ
け、外気を部屋いっぱいに取り入れ、深呼吸をして口からも皮膚からもマイナスイ
オンをたくさん取り入れる、すると体内に入ったマイナスイオンは血液に溶け込ん
だあと、必ずビタミンに付着していく性質があるため、酸化型だったビタミンCや
ビタミンE、べータカロチンを再びもとの還元型に復活させていくのです。がんの
治療にも病室にマイナスイオン発生器を入れ、二十四時間かけておくのも体調を改
善する方法になるのではないかと考えられます。

 ビタミンをうまく敗者復活させるには、マイナスイオンをより多く吸収する日常
生活が第一です。しかし、マイナスイオンが体内に入り、還元型にしようとして
も、それを受け入れるビタミン類、ミネラル類が存在していなければ何にもなりま
せん。そのためにも日ごろの食事でビタミンB、ビタミンCやビタミンE、カロチ
ンそしてミネラルなどを多く含んだ食品を摂る心掛けが重要になってきます。



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